#2 嵐の結末

 

 

 

 

 

さて、いよいよ嵐の中を歩くらしい。

 

天気予報は大体雨か雷マーク。

 

日本に住んでてもこんな天気の中、傘も差さずに外出る事なんてないのに、、、

 

山の中を、
しかも傘も差さずに、
ほんでアメリカやし、

テント張る時、
テントたたむ時、
どーしたらいいねん。

 

そんなことが頭をよぎる。

それでも、何事もやってみないとわからない。

というか、歩くしかない。

 

 

シャトルの運転手も、

「こんな日にどこ行くんだよ?笑」

と話しかけてきた。

 

 

まぁ普通そうやわな。

そして、覚悟が決まらないまま歩き始める。

 

もちろん朝から雨。

 

 

雨のおかげで休憩も出来ず、気がつけば16km。

たどり着いた山頂も結局何も見れず、、

 

 

まぁ仕方ないかと思ってたら、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天候は回復に向かいだす。

晴れはしないが、雨は降らず。

 

もしかしたらこのまま天気持つんじゃないかと思うぐらい安定してきた。

 

 

 

嵐は何処へやら、、、

すっかり木漏れ日の中歩けるようにもなりだした。

 

 

多分場所によって、降ったり降らなかったり。
地面が濡れてない様なとこもしばしば。

 

 

 

なんだかんだ青空の下ハイキングが出来た初日。

 

 

 

 

 

そして、1日の終わりにはご褒美まで用意されていた。

Wesser Bladの山頂に展望台が用意されてて、そこから望む景色は言葉を失うほどだった。

 

 

360度この景色が目の前に広がる。

 

 

歩き始めてから6日間。
景色も特に素晴らしいわけでもなく、ひたすら山を登っては降りての繰り返しで、何を楽しみに歩いているかわからなくなりかけてたタイミングで、、、この景色。

 

 

 

多分、山を登る理由は景色にあると思う。

言葉をなくすほどの景色、
ここから離れたくないような景色、
もう一度帰ってきたい景色、

そんなものが山にはあるんだと確信したひと時だった。

 

 

 

それと、もう一つは人との出会いにある。
出発から6日目の夕方、どしゃぶりの中テント場に到着。

 

 

 

そこで仲良くなったハイカーがいた。

元嫁が日本人だったらしいアメリカ人のMoon。

 

雨のなか夕食を共にして、
翌日も一緒に街に降りた。

 

朝一雨の中テントから出たくなかった僕に、

「Have a good rainy day!!」

と声をかけてくれた。

 

 

雨の日をそんな捉え方をする事もできるのかと、思わせてくれる一言。

 

その一言で彼が好きになった。

 

2人でヒッチハイクをし、
レストランに行き、
昼間っからビールを飲み、
ピザとサラダを食らって、

 

 

沢山の話をした。

 

 

これが旅の醍醐味と言えるだろう。

 

 

 

 

そして、びしょ濡れの荷物を干して、

 

今日はシェルターで乾杯だ!

 

というなり、またビールを買ってトレイルへ戻る。

 

そこにエストニアからのハイカーが合流。
彼らもMoonの友達だ。

 

他のハイカーより少し早く歩く僕は、同じペースで歩くハイカーが殆どいない。
彼はこうやってATを楽しんで行くのだろう。

 

 

 

 

 

翌朝、彼は一足先にトレイルへ向かった。

 

そして、今日も朝から雨。
だが、空は明るい。

数時間もすれば天気も良くなるだろうと、期待を持たせてくれる。

 

Moonは今日20mile歩くと言っていた。
僕は24mile歩いてシェルターに向かう予定。

 

もしかすると、今日で彼とお別れかもしれない。と思うと少し寂しさを感じてしまう。

 

 

 

 

トレイルへ向かうと、雨が上がり天候も良くなりだす。

 

 

まもない頃にMoonと再会。

 

「雨止んだね!ストームは何処へいったんだ?」

 

いつも通り陽気な彼は、コーヒーを片手に朝食を食べていた。

 

 

 

実は、今日からGreat Smoky Mountain国立公園の中を歩く。

 

どうやら、この辺りは熊の被害が多いエリアらしい。

至る所にBear attackの注意書きがされている。

流石、国立公園。

 

 

 

 

結局、天候も崩れることなく歩き切ることができた一日。

 

 

 

 

 

 

シェルターに着くと、沢山のハッピーなハイカー達が迎えてくれた。

殆どがセクションハイカー。

スルーハイカーに対する関心の目が凄い。

 

夕食を食べ終わろうとする頃、どこからか聞いたことのある声がしてくる。

 

 

 

 

 

Moonの到着だ。

 

彼も天候が良くなり気分が変わったみたいだ。

24mileを歩ききった。
また会えてよかった。

 

 

 

 

 

 

翌日一番に出発し、ハッピーなハイカー達に見送られた。

 

今日で確実にMoonとお別れ。

彼は今日20mile。
僕は今日28mile。

後ろ髪を引かれる思いで彼とお別れした。

「頑張ってくださーい!!まさーー!」

と彼も見送ってくれた。

 

 

 

ATの魅力の一つはシェルターにあるかもしれない。

沢山のハイカーと一つ屋根の下、寝袋で朝を迎える。

朝食をとりながら、
歯を磨きながら、
沢山の話 ストーリーをシェアする。

 

 

 

 

それにしても、シェルターで寝るハイカーの内一人は、必ず爆音のイビキで眠る。

 

 

これだけは何とかならんもんかと、毎回考えてしまう。

 

 

 

 

 

 

Moonとの数日間を色々思い出して歩いていると、トレイル上に白い花が美しく敷かれている。

 

 

 

まるで、別れは出会いの始まりとでも言うかのように、僕の足を軽くしてくれた。

 

そして、天候も快調。
どうやら僕はラッキーらしい。

 

 

このエリアは名前の通りSmokyがGrateな場所。

霧が発生しやすいと言うことからついた名前だそうだ。

 

 

 

ストームの予報でこんなに太陽が顔を見てを出すことは稀なことらしい。

 

そして、、、
Moonと別れた後、出会いがまた僕に訪れた。

 

Many stopとlow mileと言う生かしたハイカーネームのおじいちゃんハイカーの2人。

 

名前通り、ここまで来るのに30日かかってるらしい。

 

 

僕はここまで10日。

 

 

 

彼らがゴールする頃には冬を越してしまうペース。

 

 

 

 

ゆっくり歩いているからか、心にもゆとりを感じた。
面白そうなものを見つけて、景色そっちのけでお喋りを続ける。

 

ハイキングがどういったものかというのを彼らは良く知っている。

 

自分の好きなようにやればいいのだ。

 

Easy going

 

 

 

 

 

出会いはこれで終わらない。

 

 

出発初日。
レンジャーから聞いていた、2016年PCTハイカーのバーテンダーを思い出してもらいたい。

去年同じ日に出発したハイカーだ!

彼女は今Great Smokyでレンジャーをしている。

その彼女とトレイルで再会できたのだ!!

 

 

パラダイスカフェの話、
砂漠の話、
シエラの雪の話、
山火事の話、
今までの話、
これからの話、
今の話、

 

沢山の話をした。そして、彼女は来年CDTを歩こうとしているらしい。

 

僕もできることなら来年その道を歩こうと思っている。

 

「また会えたらほんと凄いね!!」

 

と笑顔で話してくれた。

 

 

 

 

 

彼女とはそれでお別れし、次のシェルターで一晩を過ごすことにした。

 

 

 

 

 

そして、翌日。

 

 

今日でGreat Smokyが終わる。

約70mileのセクション。

出来ることなら、今日も晴れてもらいたい。

天気予報は雨、、

でも、実際は、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝日が美しかった。

 

 

朝一に歩くと、素晴らしい景色に包まれて歩く事が出来る。

 

 

 

 

 

ただ一つだけ厄介なのが、、、

 

透明の糸を束ねる作業がつきまとう。

 

 

 

それは、一晩かけてトレイルに作られた蜘蛛の巣。

トレイルを歩いて蜘蛛の巣を全身でかき集めていく。

というよりも、絡まってつきまとう。

 

 

これが、その場所を今日誰も歩いていない証拠のようなものだ。

 

 

それにしても朝日が美しい。

 

 

 

 

 

 

見事に一日中天候も崩れずにGreat Smokyを歩き切る事ができた。

 

別の場所ではストームが来てたのかもしれないが、少なくとも僕の頭上にはストームの影はなかった。

 

今日はStanding Bear Farmで宿をとって寝ることにしよう。

 

この宿も実に素晴らしい宿だ。
一泊20ドル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今日はも隣のベッドからは元気なイビキが聞こえてくる。

 

 

これが子守唄になる日がくればいいのだが、、、

 

 

 

 

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