夢の道を振り返る。 vo1 ~South California~

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2017年5月11日。

 

メキシコ国境からカナダの国境までの繋がるPacific Crest Trailのスタート地点からのお話。

 

歩いてアメリカを縦断する。

 

そんな事ほんまにできるんかよ?

 

って思ってた出国数日前。

いつも何するにも、体だけ動いて心が置いていかれる。

 

山ほど不安を抱えて飛び込んだアメリカ・サンティエゴ。

 

僕が歩く道は、4265kmの永遠のような道のりなんよね。

日本より長いし、

アメリカやし、

山の中らしいし、

 

ほんで、出発前にほとんどのハイカーが立ち寄る場所があるんよね。

エンジェルハウス

この人たちを抜きにしてアメリカトレイルは語れへんと思う。

 

 

エンジェルってのは、ボランティアでハイカーを助けてくれる人の事なんやけど、

ほんまにエンジェルやねん。

これからよく出てくると思うから、その魅力に浸ってもらいたいんよね。

 

ここの家にはスカウトとフロドって夫婦が、僕たちハイカーを歓迎してくれるんよ。

 

毎日何十人ってハイカーが入れ替わって、ひとつ屋根の下で食卓を囲む。

この時、海外生活から9ヶ月離れてた僕は、ちょっと英語についていけへん部分もあったり、

これからほんまに歩けるんかわからんような距離を歩こうとしてて、

かなりナーバスやったと思う。

 

一人で街を散歩したり、

友達に電話したり、

なんとかその空気感から逃げ出そうと思ってたんかもな。

 

ほんで、経験者に電話とかメールしてたら、

「大丈夫。他のハイカーもみんな不安でいっぱいやけど、見せてないだけだよ!」

って言ってくれたんよね。

 

言葉でわかってても、心が素直に受け止められへん、、、

 

自分が行きたくて行ってるのに、

それが目の前に現れた瞬間逃げ出したくなる。

ほんと自分は弱い人間やなって思う。

 

 

なんとか友達もできて、出発の日。

メキシコ国境にたたずむPCTのモニュメント。

この目の前の道をひたすら北上したらカナダにつく。

頭でわかってても、どう考えても理解できへんのよね。

 

 

ほんで、距離の単位がkmじゃなくてmile。

それに戸惑って、

「1maileって何kmやねん」って考えながら歩いてたな。

 

でも歩き始めは、不安ももちろんあったけど、

そんな事を吹き飛ばしてくれる大自然が待っててくれてた。

 

 

見渡す限り山、砂漠。

水の気配なんてどこにもないし、

ここは雨もほとんど降らへん、

気温は日中40度以上、

 

でも、なぜか僕の心はすごい満たされてた気がする。

 

 

山の経験もそんなに多くない僕やから、

食料をどれだけ持つべきなのか、

水は1日どれだけ飲むのか、

そんなん全くわからんかったから、見よう見まねでハイカーに聞いて日々勉強していったんよね。

 

 

水がないエリアでは家畜の飲み水をいただくこともあったり。

ここの水も数日後は枯れてしまってたとか。

 

ほんま、「生きる」って事の大変さ、素晴らしさ。

そんなものを身をもって感じる事ができた。

 

 

ほとんど一人で歩いてるように思うけど、スタート直後はたくさんのハイカーと時間を過ごすんよね。

そして、ここで登場した「エンジェル」

 

彼女たちは時たま、魔法を使って僕たちハイカーに元気をくれる。

 

 

それが、「トレイルマジック」

トレイル上に現れて、

冷えたドリンク、

クッキー、

フルーツ、

食料と水分を与えてくれるねん。

 

常に、腹減ってるし水もがぶ飲みできない状況で、このマジックに出会うと体全身が一気に元気になれる。

それに、いつ現れるかわからへん天使たち。

それがまた嬉しくて、感動的なんよね。

 

 

そして、1日中歩いた最後に癒しを与えてくれるのは、

絶景の中で眠る夜。

 

日が暮れ始めたら夕食を作って、

星空の下で日記をつける、

この時間が1日をより美化してくれたんやと思う。

 

 

ある日。

街に降りて、食料を補給しに行った街で一人の日本人に出会ったんよ。

この人が僕の旅ではかなりのキーマンになってくださった。

 

小さい街で日本食レストランを経営してるゆうきさん72歳。

ほんまパワーに溢れてて、

常に、酒とタバコをふかすイカしたおじさま。

日本人とはほとんど会えない環境で日本語が通じるってのはめっちゃ嬉しかったな。

彼にもらった一番の言葉は、

「人生の1ページをゆっくりゆっくり読み進めていけばいいんだよ!」

って一言やったな。

 

そう、僕はその瞬間、本の1ページの「アメリカ徒歩縦断」を読んでる最中。

 

そんな感覚にさせてくれた。

ほんと、毎回旅に出ると人に助けられることが山ほどある。

 

 

この人も、僕の旅では欠かせない人。

名前は「カッパートーン」

日本での意味は、「便所色」

「私の肌は便所色だからねー笑」

と笑って教えてくれた。

 

この名前はPCTハイカーが持つ「トレイルネーム」

ってやつ。

他の人からもらう名前なんよ。

みんな個性的で、愉快な名前が付けられてた。

 

僕はカッパートンにそのトレイルネームをもらった。

名前は「Not yet」

トレイルネームをもらうのが遅かったから、そう命名された。

 

 

そして、砂漠はまだまだ続く。

砂漠地帯のセクションは約1000km。

永遠に感じる道のりの中で、他のハイカーも苦しみながら楽しんでるみたい。

トレイルに落書きをして、

自分を勇気付けて、その道を歩く後ろの人たちにも勇気を与えてくれる。

「We are awesome!!」

「Fucking trail!!」

「Give me magic!!」

ほんとユーモア溢れる落書きを残していってくれた。

 

 

まだまだ、道は続く。

この砂漠地帯を歩き終えてもたったの1000km。

4分の1も終わらへん。

暑さで意識も朦朧として、

道の長さに可能性を感じれなくて、

喉の渇きと食欲に襲われる、

 

水が制限なく飲めるってのがどれだけ幸せなことやったか。

日本での生活ではそんなこと全く考えてなかったけど、

そんな当たり前の幸せに気づかせてもらった瞬間が毎日やってくる。

 

山の中では、

いくらお金を持っていても欲しいものが手に入らへん、

100万あろうが、

1億あろうが、

山の中では無意味なんよな。

 

ベッドで寝れること、

椅子に座れること、

電車に乗れること、

携帯が繋がること、

日常の全てがありがたく、より愛しく感じてた。

家族とか友達のことも同じように愛しかったな。

 

たまに考え過ぎたら、心がぎゅっと締め付けられるような寂しさにも似た感情になることも少なくなかった。

 

 

 

そして、また優しさをもらって次の一歩が踏み出せる。

 

 

砂漠地帯の残り100kmぐらいで出会った、

ハンガリーハイカーのジョート。

 

 

彼との出会いも素敵なものやったな。

彼はハンガリーで空手をやってたり、

アーチェリーの記録を持ってたり、

多分、スーパーアスリート。

英語あんまり話せんかったけど、英語以外の語学力がすごかったんよね。

 

そんな、彼とは「空手」ってところで気があって。

「We have BUSIDOU」

って言いながら目の前の一歩を繰り出して歩いてた。

「俺たちは武士道を持ってるから、大丈夫だ!」

 

って言われてたな笑

幼稚園から中学までやってた空手がこんなとこで力を発揮するなんて考えてもなかったな。

 

彼と一緒に街に降りて、数日間一緒に時間を過ごした。

 

 

そして、ようやく乗り切ったはじめのセクション「South California」

やっと砂漠地帯が終わった。

でも、まだ1000kmしか終わってない。

 

次のセクションは「Sierra」

標高3000〜4000mの山脈を練り歩くエリア。

去年の雪が異常に残ってて、「今年はSierraを歩ききったハイカーはまだいない。」

って街の人が言ってた。

多くのハイカーがリタイアとか迂回を選択する中、

 

なんと、武士道を持ってるはずのジョートがここでリタイアを宣言したんよ。

 

 

 

 

 

 

さて、次回「夢の道を振り返る。~Sierra ver~」

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2 Responses

  1. いちぞの
    | 返信

    この間のお話会、小学生、中学生の心に響いたみたいだよ!今日、改めてお礼を言われた。素敵なお話会ありがとう(^^)

    • da80207
      | 返信

      うわ〜〜ほんとに!!それめっちゃ嬉しいやつやん

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