妹が帰ってきたような、、、

 

トレイルへのスイッチ

 

妹おらんけど、、、

 

彼女の名前は「Hara Noriko」

 

出会ったのは、2017年の9月末。

 

 

友達が働いてた「鎌倉ゲストハウス」

 

 

そこで住み込んで働いてたヤングでフレッシュなノンちゃん。

 

これから旅をしようとしてた彼女。

 

 

 

 

 

僕がPCTから帰ってきたばっかりで、

 

僕の熱も冷めてなかったのもあって、トレイルの話しを永遠聞いてくれてた。

 

 

 

 

他にも聞いてるスタッフはいたんやけど、

 

 

「いや〜俺は歩きたくても歩けへんわ〜」

「自然の中で生活する勇気ないよ」

 

まるで、映画か小説を味わうような感覚で話しを聞いてくれてた中、、、

 

 

 

熱い視線が僕にバシバシ向けられるのに気付いた。

 

 

 

 

彼女だけは、

 

それを「現実のこと」として捉えてたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、歩きたい人には是非とも歩いてもらいたいけど、、、

 

 

2017年は、、、

 

シエラの雪、

山火事、

 

大自然の前にリタイアが続出、

命を落としてしまったハイカー、

 

 

軽い気持ちで、

「いい経験なるからいっといでよ!」

って伝える気分にはなれなかった。

 

 

 

 

でも、どうやら、、、

 

トレイルへのスイッチはオンになってしまったらしい。

 

 

 

 

 

 

彼女が歩んできた道

 

それから、数ヶ月後。

 

彼女はカナダへ渡って旅の準備を始める。

 

 

生きていくための全てをカバンに詰めて歩いた経験がない彼女。

 

 

なんかスイッチを押してしまった僕からしたら、気が気じゃなかった。

 

 

 

 

心のどっかには、、、

 

「気が変わったんで、歩くのやめます!」

 

って言って欲しかったのかもしれない。

 

 

でも、ちょこちょこ電話してても

 

熱は増す一方。

 

 

 

興味の赴くままに歩みを進めるのは、彼女の一番の魅力なんだろう。

 

 

 

僕の心配なんてそっちのけで、

 

そんな彼女に追い風が吹き始めた。

 

 

 

「友達と一緒に歩くことになったんです!」

 

 

 

僕の重く沈んでいた心臓が、数センチ浮き上がるような気分だった。

 

 

 

 

準備は着々と進み、

 

カナダに滞在中に、

クルアニ国立公園、

バンフ国立公園、

 

を歩き始めて、

 

アメリカのジョンミューアトレイル(JMT)へと向かう彼女と友人。

 

 

 

 

僕が歩いた2017年、

 

JMTとPCTがシンクロするシエラネバダは一面の白の世界だった。

 

 

彼女はそのJMTを歩こうとしている。

 

 

全行程340kmの圧倒的な大自然と限りなく美しい世界。

 

 

 

 

インターネットが繋がることもほとんどない道を歩いている間は、

 

SNSの更新も頻繁にはされず、

 

 

 

更新の度にホッとする気持ちだった。

 

 

 

 

 

幸い天候には恵まれて、

 

大きなトラブルもなく、

 

雪もなく、

 

 

21日の旅を終え無事に歩ききることができた。

 

 

 

 

 

 

帰ってきて、、、それから

 

そんな彼女が年明け、

 

わざわざ大阪まで会いに来てくれた。

 

 

 

今彼女が、

 

何を思い、

何を考え、

どんな表情で現れるのか、

 

 

楽しみで仕方なかった。

 

 

 

 

2年前出会った時と、

 

何も変わってないとも見えたし、

何もかも変わったようにも見えた、

 

 

間違いなく素晴らしい経験をしてきたのが、その自然体な姿を見ているだけで手に取るようにわかった。

 

 

トレイルの話は特にしていなかったと思う。

 

 

 

 

 

そりゃそうなる。

 

 

あれだけ辛い思いをして、

あれだけの圧倒的な自然に触れて、

絶景を前に思考が停止して、

それでも次の一歩を踏み出して、

 

終わらせるために歩き始めたのに、、、

終わりが来るのが切なく、しがみつきたくなるような気持ちになって、

 

 

 

あの経験に当てはめれる言葉が見つからなかったのだろう。

 

 

 

 

 

それは歩いた人にしかわからない。

 

まるで夢を見ていたような、

本当に夢じゃなかったのか、

 

 

そんな感覚が彼女を包み込んでいたのだろう。

 

 

 

でも、それでいいと思う。

 

間違いなくこれからの彼女の人生の宝物になったのだから。

 

 

 

そんな、彼女の人生に少しだけでも触れれたことに、僕は嬉しく思う。

 

 

 

 

 

 

さぁこれからどんな一歩を踏み出すのか、、、

 

実にいい出会いだ。

 

 

 

お別れをした時、

 

彼女の右手には、1ℓの豆乳牛乳。

 

 

 

その後ろ姿は、大阪の街では浮き上がって映るかもしれない、、、

 

 

彼女の心のどこかにハイカーの魂が宿ったのだろう。

 

 

 

 

 

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