同じ時間

 

 

「早起きは三文の得」

 

 

 

そんなことわざがある

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ合衆国コロラド州

サン・イザベル国立森林公園

 

 

 

 

 

 

 

あたりはまだ薄暗く

東の空がうっすら光をおび始めている

 

静まり返ったこの世界は

雲ひとつなく

人工物もなく

人もいない

 

東の空は刻一刻と見事なグラデーションで空に色をつけていく

 

 

 

 

 

 

 

「今日は太陽よりも早く歩き出せそうだ」

 

 

 

 

 

肌寒い中重たい腰を上げ

テントをたたみ

朝食を取り

穴を掘って用をたす

 

毎日の日常だ

 

 

 

 

太陽が遠くの山の稜線から顔を出そうとしている

 

荷物を担いで歩き始める

 

 

 

 

 

日中の肌を焼き付ける太陽は暴力的で刺激的だ

だが朝と夕方の太陽は全くの別物のように感じてしまう

 

 

 

朝日はこの大地と生き物に挨拶をするように現れて

夕日は全てのものにお別れを継げるように消えていく

 

 

その色は毎回違う

だが言葉は同じだ

 

 

 

 

 

 

太陽が大地から離れ宙に浮き出すと

僕の左ほほを温もりを通して話しかけてくる

サングラスの隙間から差し込む光は

目覚めにちょうどいい

 

 

 

 

 

昨日歩こうとしていたHope passの頂上まであと少しだ

標高3820mの峠に朝6時半にはつこうとしている

 

 

 

10年前の僕がこの事実を知ったらどう思うのだろう・・・

 

 

 

 

 

 

3820mの峠の上までたどり着き一息ついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには油断しきった野生動物たちが

朝ごはんを食べている

 

 

普段なかなか見ることができないキツネもその中にいた

 

 

 

他には

マーモット

エルク

リス

ウサギ

そしてムース

 

 

 

まさに動物の楽園だ

 

 

 

 

 

 

彼らは僕に気がつき目線をこちらに向けてはいるが

とりたてて慌てることもなかった

 

距離が遠いのもあるだろうが

「人間一人に何ができるんだい?」

と言わんばかりに

 

また食卓に向かって朝食を食べ始めた

 

 

 

 

 

 

 

その中にムースの親子がいた

 

ツノがないので恐らく母親だろう

 

 

 

僕はアメリカの旅で一番出会いたかった動物はムースだ

 

 

 

ムースは一度の出産に2 頭の子供を産む

だがその2頭がそのまま大人になれる可能性は極めて低い

 

 

その理由は

大人になるまでの間に

オオカミやクマに襲われて命を落としてしまうからだそうだ

 

目の前にいるこの親子にも

本当はもう一頭いたんだろう

 

子を無くした母親

兄弟をなくした子

 

 

それでも彼らは生きていく

力ずよく

そして繊細に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今あなたがこの記事を読んでくれているこの瞬間にも

彼らはどこかで生きている

 

 

それは、一秒も違わずこの「今」の出来事なのだ

 

同じ地球という星の上で

同じ空の下で

同じ時間に

 

彼らも生きているという事実を知っておいてほしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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