「Are you ready to finish?」
数日前、休憩中そんなことを他のハイカーに言われた。
「旅が終わる準備ができているか?」
Yesとも、
Noとも、
答えられない質問を投げかけられて、
毎晩テントの中で考える事になった。
言われた瞬間には、ぼんやりとしか考えれなかった。
多分その理由は、まだ10日以上歩かないと終わらないという現実からだと思う。
ただ、毎晩テントで考えていると、確実に昨日よりはそのゴールが明確に見え始める。
毎日、少しづつ色を重ねてゆっくりと描く一枚の絵のように、ゴールのカタディンが頭の中で出来上がってくる感覚。
旅を終えるために必要なことはなんなのか?
思い出を整理する?
ゴールの後の事を決める?
歩いてきた距離に意味を見出す?
なぜ歩いていたかの答え?
どれだけひねり出しても準備に対する答えが出ていない。
もちろん、カタディンに着いてからどこの街までヒッチハイクして、バスのチケット取って都市に移動して、何日滞在して、いつ飛行機に乗るか、
なんて事はもう既に考えてるし、決めている。
でも、それが旅を終える準備なのか?
と言われると全く見当違いの答えのような気がしてならない。
「君たち!高校3年間で思い残すことの無いように、しっかり卒業の準備をしておきなさい!」
と言われて、何をしたらいいかわからない様な感覚。
去年の歩き終わりにも、同じ様な事を考えていたはずだ。
去年の9月18日のゴールの瞬間は、興奮する事も感きわまる事もなく、静かに終わった。
ゴールの場所が山に囲まれた谷に位置していたという事もあり、気がつけばそこに着いてしまったような気分だった。
ただ今回は、Mt Katahdin という山の頂上にゴールが位置している。
山を登りきった達成感と共に、3500kmの旅の終わりを告げられる。
旅を終える準備とは、、、?
その言葉を発した彼は準備出来ているのだろうか?
長くても残り6日。
最後の食料補給を終えて、宿で体を休める。
最後の食料補給、
最後のハイカーホステル泊、
最後のピザ、
色んなことがどんどん終わっていく。
実はスタートしてから毎日毎時間、全てが終わって、ゴールに近づいていたのは頭ではわかっていても、なかなか本当の意味で理解するには、ここまでこないとわからない。
旅を終える準備。
それは残りゴールまでの間を、今までと同じように、
景色に触れ、
感情に触れ、
人と出会い別れ、
テントの中でゴールへの想いを馳せ、
そんなことでいいのだと思う。
そんな事を考えているといつの間にかゴールに立っている自分がいるだろう。
残り175km。
次にブログを書き上げる時は、天気のいい山の頂で、満面の笑みを浮かべるまさるの写真が挙がる事になると思います。
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