2017年5月11日。

 

メキシコ国境からカナダの国境までの繋がるPacific Crest Trailのスタート地点からのお話。

 

歩いてアメリカを縦断する。

 

そんな事ほんまにできるんかよ?

 

って思ってた出国数日前。

いつも何するにも、体だけ動いて心が置いていかれる。

 

山ほど不安を抱えて飛び込んだアメリカ・サンティエゴ。

 

僕が歩く道は、4265kmの永遠のような道のりなんよね。

日本より長いし、

アメリカやし、

山の中らしいし、

 

ほんで、出発前にほとんどのハイカーが立ち寄る場所があるんよね。

「エンジェルハウス」

この人たちを抜きにしてアメリカトレイルは語れへんと思う。

 

 

エンジェルってのは、ボランティアでハイカーを助けてくれる人の事なんやけど、

ほんまにエンジェルやねん。

これからよく出てくると思うから、その魅力に浸ってもらいたいんよね。

 

ここの家にはスカウトとフロドって夫婦が、僕たちハイカーを歓迎してくれるんよ。

 

毎日何十人ってハイカーが入れ替わって、ひとつ屋根の下で食卓を囲む。

この時、海外生活から9ヶ月離れてた僕は、ちょっと英語についていけへん部分もあったり、

これからほんまに歩けるんかわからんような距離を歩こうとしてて、

かなりナーバスやったと思う。

 

一人で街を散歩したり、

友達に電話したり、

なんとかその空気感から逃げ出そうと思ってたんかもな。

 

ほんで、経験者に電話とかメールしてたら、

「大丈夫。他のハイカーもみんな不安でいっぱいやけど、見せてないだけだよ!」

って言ってくれたんよね。

 

言葉でわかってても、心が素直に受け止められへん、、、

 

自分が行きたくて行ってるのに、

それが目の前に現れた瞬間逃げ出したくなる。

ほんと自分は弱い人間やなって思う。

 

 

South California

 

なんとか友達もできて、出発の日。

メキシコ国境にたたずむPCTのモニュメント。

この目の前の道をひたすら北上したらカナダにつく。

頭でわかってても、どう考えても理解できへんのよね。

 

 

ほんで、距離の単位がkmじゃなくてmile。

それに戸惑って、

「1maileって何kmやねん」って考えながら歩いてたな。

 

でも歩き始めは、不安ももちろんあったけど、

そんな事を吹き飛ばしてくれる大自然が待っててくれてた。

 

 

見渡す限り山、砂漠。

水の気配なんてどこにもないし、

ここは雨もほとんど降らへん、

気温は日中40度以上、

 

でも、なぜか僕の心はすごい満たされてた気がする。

 

 

山の経験もそんなに多くない僕やから、

食料をどれだけ持つべきなのか、

水は1日どれだけ飲むのか、

そんなん全くわからんかったから、見よう見まねでハイカーに聞いて日々勉強していったんよね。

 

 

水がないエリアでは家畜の飲み水をいただくこともあったり。

ここの水も数日後は枯れてしまってたとか。

 

ほんま、「生きる」って事の大変さ、素晴らしさ。

そんなものを身をもって感じる事ができた。

 

 

ほとんど一人で歩いてるように思うけど、スタート直後はたくさんのハイカーと時間を過ごすんよね。

そして、ここで登場した「エンジェル」

 

彼女たちは時たま、魔法を使って僕たちハイカーに元気をくれる。

 

 

それが、「トレイルマジック」

トレイル上に現れて、

冷えたドリンク、

クッキー、

フルーツ、

食料と水分を与えてくれるねん。

 

常に、腹減ってるし水もがぶ飲みできない状況で、このマジックに出会うと体全身が一気に元気になれる。

それに、いつ現れるかわからへん天使たち。

それがまた嬉しくて、感動的なんよね。

 

 

そして、1日中歩いた最後に癒しを与えてくれるのは、

絶景の中で眠る夜。

 

日が暮れ始めたら夕食を作って、

星空の下で日記をつける、

この時間が1日をより美化してくれたんやと思う。

 

 

ある日。

街に降りて、食料を補給しに行った街で一人の日本人に出会ったんよ。

この人が僕の旅ではかなりのキーマンになってくださった。

 

小さい街で日本食レストランを経営してるゆうきさん72歳。

ほんまパワーに溢れてて、

常に、酒とタバコをふかすイカしたおじさま。

日本人とはほとんど会えない環境で日本語が通じるってのはめっちゃ嬉しかったな。

彼にもらった一番の言葉は、

「人生の1ページをゆっくりゆっくり読み進めていけばいいんだよ!」

って一言やったな。

 

そう、僕はその瞬間、本の1ページの「アメリカ徒歩縦断」を読んでる最中。

 

そんな感覚にさせてくれた。

ほんと、毎回旅に出ると人に助けられることが山ほどある。

 

 

この人も、僕の旅では欠かせない人。

名前は「カッパートーン」

日本での意味は、「便所色」

「私の肌は便所色だからねー笑」

と笑って教えてくれた。

 

この名前はPCTハイカーが持つ「トレイルネーム」

ってやつ。

他の人からもらう名前なんよ。

みんな個性的で、愉快な名前が付けられてた。

 

僕はカッパートンにそのトレイルネームをもらった。

名前は「Not yet」

トレイルネームをもらうのが遅かったから、そう命名された。

 

 

そして、砂漠はまだまだ続く。

砂漠地帯のセクションは約1000km。

永遠に感じる道のりの中で、他のハイカーも苦しみながら楽しんでるみたい。

トレイルに落書きをして、

自分を勇気付けて、その道を歩く後ろの人たちにも勇気を与えてくれる。

「We are awesome!!」

「Fucking trail!!」

「Give me magic!!」

ほんとユーモア溢れる落書きを残していってくれた。

 

 

まだまだ、道は続く。

この砂漠地帯を歩き終えてもたったの1000km。

4分の1も終わらへん。

暑さで意識も朦朧として、

道の長さに可能性を感じれなくて、

喉の渇きと食欲に襲われる、

 

水が制限なく飲めるってのがどれだけ幸せなことやったか。

日本での生活ではそんなこと全く考えてなかったけど、

そんな当たり前の幸せに気づかせてもらった瞬間が毎日やってくる。

 

山の中では、

いくらお金を持っていても欲しいものが手に入らへん、

100万あろうが、

1億あろうが、

山の中では無意味なんよな。

 

ベッドで寝れること、

椅子に座れること、

電車に乗れること、

携帯が繋がること、

日常の全てがありがたく、より愛しく感じてた。

家族とか友達のことも同じように愛しかったな。

 

たまに考え過ぎたら、心がぎゅっと締め付けられるような寂しさにも似た感情になることも少なくなかった。

 

 

 

そして、また優しさをもらって次の一歩が踏み出せる。

 

 

砂漠地帯の残り100kmぐらいで出会った、

ハンガリーハイカーのジョート。

 

 

彼との出会いも素敵なものやったな。

彼はハンガリーで空手をやってたり、

アーチェリーの記録を持ってたり、

多分、スーパーアスリート。

英語あんまり話せんかったけど、英語以外の語学力がすごかったんよね。

 

そんな、彼とは「空手」ってところで気があって。

「We have BUSIDOU」

って言いながら目の前の一歩を繰り出して歩いてた。

「俺たちは武士道を持ってるから、大丈夫だ!」

 

って言われてたな笑

幼稚園から中学までやってた空手がこんなとこで力を発揮するなんて考えてもなかったな。

 

彼と一緒に街に降りて、数日間一緒に時間を過ごした。

 

 

そして、ようやく乗り切ったはじめのセクション「South California」

やっと砂漠地帯が終わった。

でも、まだ1000kmしか終わってない。

 

 

 

Sierra

次のセクションは「Sierra」

標高3000〜4000mの山脈を練り歩くエリア。

去年の雪が異常に残ってて、「今年はSierraを歩ききったハイカーはまだいない。」

って街の人が言ってた。

多くのハイカーがリタイアとか迂回を選択する中、

 

なんと、武士道を持ってるはずのジョートがここでリタイアを宣言したんよ。

 

 

今年のシエラの雪はほんとにひどかったみたいで、PCTハイカーも3名命を落としてしまった場所。

 

そして、リタイアを宣言したジョートが、

「俺は死にに来たわけじゃない。」

と一言言い残して、ハンガリーへ帰った。

 

同じ意見のハイカーも多かったはず。

それは僕も同じ、、、っていうよりそれ以上。

 

リタイアして日本に帰るつもりは全くなかったけど、

シエラを歩くのか、歩かないのか、

 

情報交換しても、

「俺は行けるとこまで行くぞ!」

「私は迂回する。」

「以外と雪ないらしいぞ。」

 

いろんな情報があふれたんよね。

結局、誰もそこに行ってないから本当のことはわからんの。

 

 

でも、

でも、

 

正直な気持ちは歩き切りたい!!

 

 

ここに来るまでにもお世話になった人もいるし、

ヤスカさんとブラッドから、シエラを歩くために必須の「ベアキャニスター」も送ってもらってるし。

 

行くとこまでいって、無理って判断したら諦めて引き返す気でシエラに足を踏み入れたんよね。

 

 

この赤いシールが貼ってるでかいケースがベアキャニスター。

クマから食料を守るためにシエラでは、必ず携帯しないとあかんやつ。

これが重たいしでかいしで、バックに入りきってないハイカーもいたりいなかったり。

 

 

そして、いよいよシエラの入り口。

今まで歩いてた乾燥地帯から景色もいっぺんして、背の高い木々に囲まれる。

 

 

 

水も豊富で影もある。

これから、襲いかかる水の恐怖なんてこの時は考えてもなかったな。

「意外と楽勝なんじゃね?」

とか思ってたしね。

大きな間違いやった、、、

 

 

そんな考えは甘かったことを徐々に思い知らされる。

遠くの稜線が白く輝き始める。

初めて見た瞬間は、なんて綺麗なんやろ。って見てたんよね。

 

 

実際に、雪のエリアを歩くってなると全くそんな気持ちになれんかった。

足は常に濡れて、

川を渡って、

硬い氷に足を取られて、

雪解け水が冷たすぎて、

歩き始めて数時間、普通の道を歩きたいって心から思った。

 

 

アメリカ最高峰のMount Whitney。

標高4418m。

 

PCTのルート上ではないんやけど、近くにあるからみんな結構立ちよるんよね。

僕も便乗して、キャンプサイトに荷物置いて最低限の荷物だけ持って早朝5時にスタート。

朝日で輝く山肌を見ながら歩く時間は格別やった。

 

 

 

ただ、、、

ここがシエラの入り口にあたる場所。

約500kmの雪山の始まり。

 

 

食料も十分に持ってたけど、靴がかなり怪しかったから一旦街に降りて2足目を購入。

1000kmの道のりを一緒に歩いたトレッキングシューズを捨てる瞬間はすごい寂しかったな。

 

でも、持っていくわけにいかんしお別れ。

 

 

街に降りてよく出会ってた香港ハイカーの二人と再会できたから、

彼らと一泊することに。

泊めてもらったのは「エンジェルハウス」

 

 

泊めてもらう彼らの家は超豪邸ってわけでもないんやけど、

味があって、

物を大切にしてて、

なぜか動物と一緒に暮らしてて、

家庭菜園をしてる、

そんな家がほとんど。

 

ヒッチハイクで街に降りる時も乗せてくれる人はボロボロの車のことが多い。

そして、とびきりの笑顔でハイカーを包んでくれるんよな。

 

彼らは大金持ちじゃないんやろうけど、お金じゃない大切な物をしっかり持ってる人たちなんやと思う。

 

 

そして、戻ってきたシエラ。

危険で孤独なエリアに戻る瞬間は、

軽い興奮状態にあった気がする。

 

マラソンのスタート地点に立って合図を待つような気分に似てるかな。

 

そして、シエラ本番。

むき出しの自然の危険と、

それに肩を並べるほどの美しすぎる大自然が待っててくれた。

 

 

雪山で何が危ない?

って行く前は、雪崩とか、滑落かなって思ってたけど、、、

一番の危険は「渡渉」やったことを教えられる。

 

川を渡ることやね。

 

 

雪解けで普段おとなしい川が反乱。

腰以上の深さで流れ続ける雪解け水。

バックパックを背負って川を渡ることがどれだけ辛くて危険かってことを実感できた。

水温はかなり低くて、長時間入ってられないほど。

 

今年命を落としてしまったハイカーも、この渡渉で足を滑らして無くなってしまった人もいる。

砂漠地帯であんなに欲してた水。

それがこのエリアでは一番近寄りたくない物に変わってた。

 

そんな川がいつ現れるのか、ビクビクしながらどんどん雪山の奥へ足を踏み入れていく。

 

 

平均の標高が3000mぐらい。

中には4000mを超える峠越えもあったり、

日差しの強さで肌が焼かれて、

一日に何十回と道を見失う。

 

もう、頼れるのって自分だけなんよね。

背中に背負ってるカバンがなくなったらハイカーは命を落とす。

食料が尽きたり、

寝袋なしでは夜を越せへんし、

 

やから、食料を動物に食べられないように工夫せなあかんし、

できるだけ体温を下げないように体を洗わなかったり、

 

毎日必死やったな。

 

 

そんな中、素敵なハイカーと出会った。

56歳のマリブ。

彼のバックパックは僕の1.5倍はあったんちゃうかな。

彼は「日本の高校野球」が大好きで、

「あんな情熱的に野球をやるのは甲子園だけだ!」

って熱っぽく話してくれた。

 

一緒に歩いた半日。

テントを一緒に張って、夜な夜ないろんな話をしたんよね。

 

ほんで、彼のバックパックがでかすぎる理由がここでわかった。

なにが入ってたかっていうと、、、「多すぎる食料」

 

その時、僕はベアキャニスターの重さにやられてたんやけど、

彼は「食事が楽しくないとハイキングも楽しめんぞ!」

 

とニコニコ笑ってそう言ってた。

しかも、その食料を僕にくれたりもしたんよね。

 

僕も食料持ってたし夕食も食べてたから、こっちから頼んだわけでもないんやけど。

「美味い飯は一緒に食べたほうが美味しいだろ!」

っていってくれた。

 

僕に足りてなかった「楽しむ心」

それを彼は自然にシンプルに教えてくれた。

 

 

それからの毎日は、不安でいっぱいやった心も少し軽くなって楽しむ余裕を持してくれた。

なんといっても目の前に広がる絶景は、有名な世界遺産とは一味も二味も違う。

 

雑誌とかネットで観れる景色でもない。

それだけで最高に楽しめるはずやったんよね。

本当彼には感謝してる。

 

 

雪山のエリアではハイカーは数人のチームを作って一緒に歩く。

危険を回避するためやね。

僕もそんなパートナーを探してたんやけど、ちょうどタイミングよく出会えたハイカーがいたんよね。

 

 

台湾ハイカーのバン。

彼とは10日間、助けて助けられる日々を過ごした。

 

 

歩くペース、休憩のペースもよく似てたからストレスもなく歩けたんよね。

彼はどう思ってたかわからんけど、、、w

 

一人で歩く時間が多かった今までのセクション。

誰かと歩くのも楽しいことを知れた。

 

たまたま出会った二人が24時間一緒に行動する。

これってなかなかないことやと思うんよな。

 

家族でも、

カップルでも、

夫婦でも、

24時間、数メートルの距離で行動するなんてないと思う。

彼とは本当にいい関係を気付くことができたな。

 

 

一緒に川を渡って、

焚き火を囲んで飯食って、

雪山を何時間もかけて登って、

絶景に浸って、

彼が川に流されたのを二人で乗りきったり、

目が焼かれて一つのサングラスを二人で交互に使ったり、

歩いてる話、これからの話、今までの話、人生の話、

ほんと数え切れない思い出を彼は与えてくれたんよな。

 

 

シエラに入ったらハイカーの数急激に減って、

一日で5人にも会えば多い方ってこともあった。

峠の頂上で休んでたり、

渡渉の後服を乾かしてたり、

だいたい休憩のポイントも似てくる。

 

 

彼が川に流されてギアも一部無くなってめっちゃ不安で歩いてる時。

前方から日本人らしきハイカーが歩いてきたんよ。

 

 

長野在住のタクさん。

後から知ったけど、、、

僕と同い年。

しかも一回会ったことがある人。

世界一周行く前に母と母の姉で長野の山登りに行ったんやけど、

一泊させてもらった「高見石小屋」で働いてはったらしい。

 

そんな人とアメリカの山奥で出会うなんて、、、

 

出会いってほんとすごい。

 

 

彼はJMTってルートを歩いてて、お互いにこれから向かう場所の情報を欲しがってたんよね。

この情報交換のおかげで、今後の工程がクリアになった。

 

 

また、長野の山いったら会いに行きたいな。

 

 

 

そして、バンと別れる日が来た。

 

 

サングラスを川で落として、これ以上サングラスなしで歩くのは危険ってのもあって、

僕は迂回して街に降りることにしたんよね。

 

二人ともボロボロやけどいい顔しとるw

たった10日間やったけど、濃厚で鮮やかな時間やったな。

約240時間彼と一緒にいてたことになる。

 

やっぱり別れは寂しいんよね。

一人で歩き出すと一気に寂しくなるし、会いたくなる。

まぁ数日後すぐに再会できたんやけどね。

 

 

 

その後、

キャンプリゾートに降りてきたんやけど、

ここのキャンプ場がめっちゃ良かったんよ。

 

ロングトレイルハイカーにはビール一本無料、

フリーキャンプサイト、

夜はキャンプファイヤー、

 

そんなキャンプファイヤーやってる時に、

「おーい!PCTハイカー!腹減ってるやろ〜?」

っていってチキンを山ほど持ってきてくれた、キャンパー二人。

 

 

前回、このキャンプ場を利用した時、腹空かしてるハイカーがいたのを思い出して、

作って持ってきてくれたんやって。

 

もう、嬉しすぎてかぶりついてたな。

こうやって初めて会う人に愛情と優しさをもらって、もっと優しくなりたいって思えるようになった。

一種の憧れみたいなもんやな。

「自分もあんな人になりたい!」

 

 

ほんとの強さって、

鋼のような強さじゃなくて、

柔らかい強さ、

なのかもしらんなって思わせてくれた。

 

 

 

 

その後も、人の少ないシエラでも出会いがあった。

 

 

鹿児島からJMTを歩きに来てたりゅうたろうさん。

この人とは、この前鹿児島行った時に再会してアメリカの話いっぱいしたんよね。

再会があるから出会いっていいんよね。

 

 

 

 

 

 

雪も徐々に減ってきて、普通のトレイルを歩けるようになってきたんやけど、

雪が溶けてトレイルはぐっちゃぐちゃのとこも結構あったんよ。

 

気が倒れてたり、

まだまだ渡渉が危険やったり、

 

そんな中、トレイルを整備してくれる人たちにも出会えた。

 

 

馬に乗って、

犬を連れて、

壊れたトレイルを綺麗に歩きやすいようにしてくれてる。

この人たちがいてくれてるから、僕はカナダの国境まで歩き切ることができたんやろな。

って心から思える。

彼らもエンジェルだ!

 

 

 

 

ほんで、シエラも残り少し。

どうしても連絡取りたかった人がいたから、ヒッチハイク1時間半ぐらいのせてもらって到着した、ヨセミテ国立公園。

 

 

ここの景色は、さすが世界に名を轟かしてる場所ってのもあって壮大やった。

Macの初期設定の壁紙がここの景色やってことを初めて知ったなw

 

どうしても連絡したかった人は、、、

 

 

このご夫婦。

日本人のハイカーを無償で宿泊させてくれるエンジェル。

テッドとミホコさん。

 

奥さんはお仕事であんまり家にいてはらへんかったけど、テッドとはずっと一緒でいろんな話させてもらったな。

写真写りは良くないけど、、、w

ほんまにお茶目なアメリカのおじさまなんよ。

 

彼の家で過ごす3日間は砂漠地帯と雪山の辛さを全部吹き飛ばしてくれる時間やった。

クマと出会った時の対処法、

グリズリーとブラックベアの見極め方、

カナダまで歩き切るペース、

今まで来た日本人ハイカーの話、

ほんといろんな話をしてくれた。

この時は、英語話せてほんまによかったなって思える瞬間やったな。

 

 

 

 

そして、二人の日課はみほこさんが帰宅してからプールで泳いで、夕日をただ眺める時間を作ること。

僕も二人の邪魔をしないようにお邪魔させてもらったんよね。

 

PCTとJMTを歩いた日本人のお父さんとお母さんって感じやね。

 

  

 

ここまでで約1600km

まだ半分も終わってない。

ここからオレゴン州を目指して歩き出す。

 

砂漠も雪山も歩いたから、難関はクリアしたかなって思ってたんやけど、、、

実は、こっからがほんとの辛さが待ってたんよな。

 

 

North California

 

 

シエラを抜けたとはいえ、まだまだ雪は残るんよね。

でも、徐々に雪も減ってきてるみたいで、一週間前は一面真っ白やったらしい。

 

だいぶラッキーやねw

 

 

雪も減ってきて、

危険な渡渉もなくて、

暑くもない、

そして、アップダウンも少ない、

 

今までの工程から考えたら、かなり楽になるように感じたんやけど、、、

 

 

一番の恐怖は「まだ半分も終わってない。」っていう絶望的な距離、、、

 

残り2500km以上。

 

永遠にしか感じへん。

 

 

そんな中、日本から素敵な贈り物が届いた。

 

その贈り物は「インディゴ染」のシャツ・スカーフ・巾着。

 

日本の友人が心を込めて染め上げてくれた、世界で一つしかない物たち。

 

 

アメリカの山奥でネットも繋がらへんエリア歩いてても、

「一人じゃないんやな。」

って感情にしてもらえた。

スカーフを巻いたら、友達の顔を思い出すし、

その人と出会うまでの人たちのことも思い出せる。

 

それだけで、心がふわっとあったまるような気持ちにさせてくれた。

 

 

自分は一人じゃない。

 

よくよく考えたら、

バックパックにはたくさんのお守りがついてる。

これは日本を出るときにいろんな人が無事を祈って渡してくれたのも。

 

PCT上でじわっと涙溢れる手紙ももらった。

 

そして、何よりたくさんの抱きしめたくなるような愛情。

 

 

自分は一人じゃない。

 

 

そう思えると、

目の前に広がる景色がいつもよりも美しく輝いて見えるような気もしたんよね。

実際は、何も変わらない美しい景色。

でも、見る人がどんな心で見るかによって輝き方は大きく膨らむんちゃうかなって、思わせてくれるぐらい別世界が広がってた。

 

 

動物がいて、

自然があって、

湖、雪、空、

そして、自然の美しさに劣らない透き通った心を持つハイカー達。

 

 

そんなものに、元気もらって歩かせてもらえたな。

 

 

 

 

このエリアを歩くと、みんなちょっと物足りなさを感じながら歩くんよな。

 

灼熱の砂漠地帯、

危険な積雪地帯、

そんなエリアをくぐり抜けてきたハイカーやから、

今の道がただ歩くだけの毎日になってしまってた。

 

僕もそうやったな。

 

「刺激がない」

 

って感じてしまって、歩くことにゆっくりゆっくり時間を変かけて麻痺してたんやろな。

毎日40〜50km歩くなんて日本にいたら考えられへん日常やのにね。

 

 

その中でいかに「楽しむか」

それがほんま難しいんよな〜〜

 

楽しい時に楽しむのってなんも考えんでも楽しめるけど、

そうでもない時に楽しむってすごい難しい。

 

でも、楽しみ方なんて実は山ほどあって、

目の前の花を見たり、

風の音を聞いたり、

木に触りながら歩いたり、

たまに一人カラオケしてみたり、

 

簡単に考えたら以外と難しいことじゃなかったりもするんよね。

 

 

South Californiaのセクションでは、

体力的な辛さよりも、

精神的な辛さが多かったな。

 

 

多分、ここまでの1600kmを歩いてきて、

体力的な余裕ができてきたんやろな。

体の次は「心のトレーニング」らしい、、、

 

受けて立とうじゃないか笑

 

 

スタートから2ヶ月。

ハイカーの数も減ってきて、顔見知りのハイカーが絞られてきた頃、

街に降りたら、

「この前、トレイルであったよな!!名前なんていうの?」

そんな会話が多かった気がする。

 

 

ヒッチハイクの移動中も結構楽しかったな。

 

たまたま、トレイルから降りてきたハイカー達と一緒にヒッチハイクして、

「腹減ったから乗せてくれ〜」

「高級車はダメだぜ!」

「あのピックアップトラックはいけるんじゃない?」

 

それで、みんなで乗り込むトラックの中のみんなの表情は、

街に降りれる安堵感で和らいでるんよな。

 

 

3足目購入。

2足目がシエラで酷使してしまったから、1ヶ月も経たずに使いもんにならんくなった。

こんなに頻繁に靴履き替えることってなかなかないから、すごい不思議な感覚やったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイカーには、ほんと色んなスタイルの人がいる。

みんなでワイワイ歩くハイカー、

常に歩いて移動を楽しむハイカー、

絵を描くハイカー、

一人の時間を楽しむハイカー、

街によく滞在するハイカー、

 

 

僕は「一人の時間を楽しむハイカー」

やったんちゃうかな。

 

自分のペースで歩いて、休憩して、景色を楽しんで、

次に移動。

 

 

 

 

 

 

 

1300mile。

約2100km。

 

ここでやっと半分。

中間地点まで来ると早いっていうけど、、、

どうなんやろ?

 

まだまだ終わりそうにないし、これからの方が長いように感じてたと思う。

辛い、しんどい、

そんな中でも、「やめたい」とは一切思わへんかったな。

「早く歩き切りたい」って気持ちはあったと思うけど、、、

 

 

 

 

そのあたりから、2日に1回会うハイカーがいたんよ。

その名は「デニス」

 

 

彼はPCTハイカーではなくて、10日ぐらい車で移動して、

ちょっと山歩いて、

釣りして、

お昼寝して、

キャンピングカーで移動する人。

 

合計6回ぐらい会ったんちゃうかな。

「日本人のハイカー珍しいよね!」

ぐらいの会話しかしてなかったんやけど、

 

彼の移動するスピードと、僕の歩くスピードがほとんど一緒やったみたいで、

何回も会うに連れて、

「また会ったな!!」

「よく会うね!!」

「またいてる!!」

「何回会うねん!!」

「俺たち磁石にたいなもんだね!!」

ってな感じでちょっとずつ信頼関係ができてきた笑

 

 

実は、彼はニュージーランドのハイカーと連絡をとって、マジックを起こしてたみたい。

その数mile先を常に歩いてたから、たまたまよく会うことができたらしい。

彼らのハイカーネームは「Ready」と「Counselor」

ヨセミテあたりで半日ぐらい一緒に歩いたことがあった二人やったんよね。

 

繋がる繋がる!!

 

 

 

 

 

 

翌日、、、

人生初の野生のクマと遭遇。

 

 

一対一、、、

 

テッドに教えてもらった忠告のお陰で、無意識にクマをレンズで捉えることができた。

 

 

 

テッドの教えはこうやったんよ、

Ted「クマに出会ったらまず何をすべきか知っているか?」

Masaru「動かない?」

T「違う!!」

M「音をたてる?」

T「違う!!」

M「じゃぁなに?」

T「マサルはクマのことなにもせずにやってきたんだな。」

軽く、お叱りを受けてるようなピリッとした雰囲気に包まれた、、、

M「すいません。でも知らないから教えて下さい。」

T「。。。。」

 

 

 

T「Rule no1. Take picture!!!」

 

 

お腹を抱えて笑うテッド。

それにつられて爆笑する僕。

 

それが、いかしたふざけたおじさんテッドの教え。

 

お陰で、クマに対する恐怖心を和らげることができた。

 

 

とはいえ、絶対安全ってわけじゃないけどね。

やっぱりでかいし、

襲われたら即死やろな、

って目の前にいたからこそ、そう思えた。

 

「彼らの世界にお邪魔させてもらってる」

そんな気持ちでいることを心がけてたな。

 

 

 

 

 

 

そして、7月28日。

僕の28歳の誕生日の日だ!

 

その日は街に降りて、

ランチはピザのバフェ。

ディナーは白ワインとチキン。

そんなパーティーを計画してたんよね笑

 

 

ちょうど計画通りピザを夢中で食べてる頃、、、

 

悪い知らせが入った、、、

 

 

それは、僕の知ってるハイカーが山で亡くなったという事実。

あまりに衝撃的で、ピザの味が消えてしまうほどやった、、、

 

つい一週間前に電話もして希望に満ちた時間を共有してた友達。

死因は「渡渉での事故」らしかった。

実際に僕が数日前歩いた道。

 

多分一人で渡って足を滑らせたか何かで流されたんやろな。

 

それから、数日、、、いや、、数週間、、、

そのことで頭がいっぱいになってしまってた。

 

「自分が助けれたのか?」

「あの電話で話す内容が間違ってたのか?」

 

なにを考えても答えが出えへん、、、

今ある現実は、「あの人が現実にいない」ということだけ。

 

この一件があるまでは、「自分でもいけるから誰でもいけるんちゃうかな?」

って思ってたけど、、、どうやらそうじゃないみたい。

 

僕はただのラッキー。

もしかしたら、自分がそうなってたかもわからんし、

これから安全っていう保証もなにもない。

 

 

 

いろいろ考えて自分なりに答えを出した結果は、

「歩ききって、元気な顔で家族・友人と再会する」

っていう答えを出した。

 

 

 

 

 

前向きに考えるしか解決策がなかったから、そのことを知った誕生日の7月28日。

何かできることないかなって思って、、、

 

翌日のトレイルで、プレゼントを配り歩くことにしたんよね。

 

超高カロリーのベビーなパイ。

450kcal以上あるひたすら甘いパイ。

 

ハイカーはカロリーが大切。

僕もよく甘いもの食べてた。

 

誕生日の翌日に出会った人たちにプレゼントしてみた。

 

 

 

 

 

なぜか、日本にちなんだ人ばっかりに渡せたんよな〜

ヒッチハイクのバックミラーに日本のお守りがぶら下がってたり、

去年、熊野古道歩きに行ったとか、

日本人の大親友がいるとか、

 

それもなんか落ち込んでる僕を元気にさせてくれるための「何か」やったんかなって思ったりもする。

 

 

 

 

そして、いよいよオレゴン州も目前。

残り数日で長かったカリフォルニア州が終わる。

 

面積だけやったら日本より広いカリフォルニア。

 

 

夜のキャンプサイトでも、

「やっとカリフォルニア終わるね。」

「なんか終わってみたらあっという間だな。」

「いやいや!後2つも州あるんだぞ!」

「これから雨らしいしね〜」

「暑いよりいいじゃない?」

 

 

みたいな話をみんなであーだこーだ言ってたな。

ここまで歩いてきたハイカーは、

平均して1日50kmは歩くようになってる。

 

かといって楽に歩けてるわけじゃないんよね。

 

「街に降りるのは楽しい。」

「レストランで食事するのは楽しい。」

「ベッドで寝るのは嬉しい。」

「ビールが飲める瞬間は最高。」

「でも、、毎日50kmあるくのはやりたくない。」

 

「でも、、、歩かないとベッドもご飯もビールもない、、、」

 

 

普通の感情やったら、

「そもそも歩くのやめたらいいやん!」

ってなると思うんやけど、、、

そんなこと言うハイカーは誰一人おらんかったんよな。

 

多分PCTを歩くってことには、

ご飯よりも、

ビールよりも、

ベッドよりも、

素敵な何かがあったからやと思う。

 

その「何か」ってのは誰も一言では言えへんはず。

 

 

 

 

 

 

とは言っても、山の中での空腹は強烈なものやったんよね。

たまに生えてるベリーには目がなかったし、

美味しそうな木の実も口にほりこんでたし、

 

 

リスが食べた後の松ぼっくりが、ほんまに「エギフライ」やと思ってたしな。

 

 

これ嘘じゃないんよ。

「なんでこんなとこにエビフライ落ちてるん!?」

って心の底から思ったんやで笑

 

 

 

 

 

そんなこんなで、ようやく長い長いカリフォルニアセクションが終わる。

 

 

ここから先は、オレゴン州とワシントン州。

次のセクションのオレゴン州では、

ある自然現象で「足止め」「迂回」を強いられることになったんよね。

 

日本では経験できない大自然のサイクルを目の当たりにすることに!!!

 

 

 

Oregon

カリフォルニア州からオレゴン州へ!

 

州の境目ってなんか特別なものがあるんかな?

 

って思ってたけど、

実際は、全く景色も変わらへんし、州境のサインが木に打ち付けられてるだけやった。

 

一歩ずつ歩いて進むから、いきなり大きな変化があるわけではない。

少しずつ、

少しずつ、

 

 

今までのセクションと大きく違うのは、

山のアップダウンが減ったこと。

 

ゴツゴツ激しく変化をつけてたシエラの山とは違って、

なだらかにダイナミックなオレゴンの山々。

 

 

ここまできて、ようやく自分が歩いてきた道の長さに気づくことができたんよな。

 

カナダ国境まで、 889mile

メキシコ国境まで、 1779mil

 

カリフォルニアを歩いてる時は、

まだまだ先長いんやろな〜

って思いながら毎日歩いてたけど、、、

 

ようやく振り返る心を持てるようになってきたんやろな。

 

オレゴンのなだらかな山がそういう気持ちにさせてくれたんかもしらん。

肉体的にはちょっと休憩できるセクション。

 

 

ただ、このセクションで一番辛かったのは、、、

 

景色がほとんど変化しないってこと。

 

 

ほとんどがこんな毎日。

どんだけ歩いても、永遠にこの景色。

 

たまに標高上がって一瞬だけ景色が広がるけど、

それを覗いたら9割がこんなとこやったんちゃうかな?

North Californiaでの心のトレーニングが最高潮に達したのはこのセクション。

 

まるで、真っ白な部屋に入れられて毎日を過ごすような気分かな。

 

考えることも考え尽くしたし、

同じことを考えて、以降が無限ループしたり、

考えることを考える一日だったり、

 

 

今日はこんなテーマで一日歩くか!

って感覚になったんよな。

 

今まで立ち寄った町のことを朝から晩までじっくり考えてみたり、

世界一周で訪れた宿を思い出してみたり、

日本一周の時に出会った人のこと考えたり、

日本に帰って会いたい人をリストアップしたり、

今まで付き合った彼女との出会いから別れまで思い返したり、

 

考えれることはなんでもよかったんよな。

それだけで一日の辛さが結構軽くなったりする。

 

 

気分屋な絶景たちは、そんな頭の中でもがいてる僕に「景色」っていうご褒美を気まぐれで与えてくれる。

 

 

 

この頃になったら、自分の歩くリズムも出来始めてたな。

5時  起床・朝食

6時  出発

10時 休憩・軽食

13時 昼食

16時 休憩・軽食

19時 夕食

21時 就寝

 

ほんまにロボットみたいにこのリズムで歩く数日があったな。

これで歩いたら、だいたい一日50kmは歩けるようになってんた。

食事もある程度、自分にあうものがわかってきてたし。

 

 

 

 

 

 

そんなころ、、、

 

ハイカーの周りで異様なざわつきが、、、

 

 

 

 

それは、

「山火事によるトレイルの閉鎖」

 

この状況を知ったのは、そのエリアに向かう前の夜。

 

この状況で、なにが困るかっていうと、、、

・迂回路の情報

・山火事の規模

・食料の補給

そんなことが不安になってくるんよな。

 

この中でも、食料に関してはそこまで心配せんかったんやけどね。

 

 

 

その晩一緒にキャンプしたイスラエルハイカーのマオと二人で迂回する一日。

 

 

PCTの道から外れるから、GPSを頼りになんとか道路を目指す。

ある程度ルートはあるんやけどね。

でも、山道じゃないからコンクリートの道をずーっとあるかなあかんかったりで、

これはこれで結構疲れるんよな。

 

ほんで、ようやく車が通る場所までやってきて、二人でヒッチハイク。

 

「5分で捕まえてやる!俺に任せとけ!」

 

って言い張って様子を見ていると、、、

 

5分で通った車はたった1台。

もちろん軽く交わされる。

 

「まぁこれが現実でしょ!笑」

 

って気長に待ってたら、その10分後一台止まってくれて目的地までたどり着いた。

 

 

 

 

そこはクレーターレイクっていう美しい湖があるキャンプサイト。

 

 

 

朝焼けと日中の景色。

 

朝焼けは息を呑むほどの、神秘的な光景。

日中は心まで晴れてきそうな、どこまでも透き通りそうな青。

 

実はそんな場所で、ある友達が僕を待っててくれたんよね。

 

 

 

しんちゃんとみさちゃん

車をレンタルしてアメリカをラウンドトリップしてる二人。

 

 

「日本食なんでも作ってあげるで〜」

って嬉しすぎる声をかけてくれたから、、、

アメリカのマーケットで買える範囲のものをリクエスト。

 

「超大盛り親子丼がいい!」

 

って事前にいっといたんよね。

 

ほんで、当日、、、

 

「ごめん!親子丼は明日でいいかな?」

 

やっぱりそんな都合よく日本食は食べれへんか〜

って思って、、、でてきた当日の夕食は、、、

 

 

なんと、、、「手巻き寿司」

 

嬉しすぎて発狂したな笑

 

あまりの発狂で、みさちゃんが「手巻き寿司たべれなかった?」

 

って心配されたぐらい笑

 

嫌いなわけないでしょ!!

 

 

そんなこんなで、山火事で迂回してることなんてさっぱり忘れて、ここのキャンプ場で2泊3日素敵な時間を過ごさせてもらった。

 

正直、このタイミングであえてほんまによかったと思う。

もうちょっと早かったら、残りの距離が長すぎたし、

もうちょっと長かったら、ゴールがすぐそこやし、

このタイミングが一番元気をもらえて、うれしく感じれたんよな!

 

ほんまありがと!しんちゃんみさちゃん!

 

 

 

 

 

二人と別れて、クレーターレイク沿いにあるRIM trailってのを歩いて、PCTに戻ってきたんやけど。

やっぱり別れって寂しいね笑

 

 

常にカップルでいてるって良いことも悪いこともあると思うけど、

誰かと一緒に入れるってほんま羨ましく思った。

 

その時は余計そう思ったんやろうけどね笑

 

 

 

 

トレイルを歩いてても、遠くで山から煙が上がってるのをよく見たんよな。

 

 

多分、山火事は毎年頻繁に起こってるもんなんやろな。

それがたまたまPCT上に発生するかしないか、、、

 

自然のみぞ知る。

 

次、いつどこで山火事が起こるかに不安を抱きながら歩いてた毎日やったな。

 

 

 

 

 

気がつけば、メキシコからの距離は3000kmを越えようとしてた。

何回も言うけど、信じられへん。

 

 

スタート直後は、1000km歩いたらどんな感じなんやろ?

とか思ってたけど、、、

1000km歩いたら、2000km歩いた時って何考えてるんやろ?、、、

2000km歩いたら、3000km歩いたらゴール目前で何思うんやろ?、、、

3000km歩いたら、、、

 

いつまでたっても今と未来の比較ばっかりしてしまう。

 

今を生きてない証拠やな!!

 

もし、とか

例えば、とか

 

そんなことは考える必要なさそうやね。

 

 

 

 

雪がちらほら残る斜面を眺めてたら、

いつかのシエラネバダを思い出す。

 

雪山は歩くの辛いけど、何回見ても「美しい」

心を持っていかれるんよな。

 

 

 

 

 

 

またもや、山火事。

 

 

2度目の山火事。

 

ここの山火事はかなり大規模で、合計100mile歩けないことが判明。

160kmの迂回。

 

PCTで一番短いセクションのオレゴン州。

600kmぐらいかな。

そのうちの160km歩けへんってだけで、オレゴンがどんどん終わっていく。

 

出会ったエンジェルとかハイカーとも、

「オレゴンの思い出は、クレーターレイクと山火事と今話してる君のことぐらいだよ!」

って話をよくしてたかな笑

 

 

 

100mileの迂回はヒッチハイク4回繰り返してようやくトレイルに戻れたんやけど、

このヒッチハイクの2日間も忘れられない出会いがたくさんあった。

 

まず、降り立った場所はキャンプサイト。

実はこの日、日食が観測できる日やったんよ。

 

やから、アメリカの人はみんなキャンプ場で今か今かとその瞬間を待ってたんよね。

 

そんな時にひょっこり山から出てきてヒッチハイクしてるもんやから、

誰も止まってくれへん、

それどころじゃないわな。笑

 

日食は午前10時半から。

僕がヒッチハイクしてるのは10時。

日食が終わるまではここで過ごすしかないかな〜

 

って思いながら道端で座ってたら、

 

「乗ってくか?」

 

の一言。

 

「日食はどこでも観れるから気にすんなよ!それに車全く走ってないから早く着くよ!」

 

まじでありがたい。

 

 

街まで、連れてってくれてウォルマート前で降ろしてくれた。

 

 

まぁ誰も働かんわな笑

店内はお客さん店員誰もおらへん。

 

僕ひとりで世界のウォルマートを独り占めできた笑

 

だからなんやねんって話やけどな!!

 

 

僕もベンチでピザ食べながら日食観測。

 

4年前東京でも観れたけど、また一味違ったな。

 

あたりが薄暗くなって、

暗くなったら反応する該当が自然とつき始めて、

肌寒くなって、

また一瞬で元の明るさになる。

 

宇宙を感じる瞬間。

 

これで、トレイル中の考えるおかずが一つできた笑

 

 

写真ではこの程度やけど、、、

やっぱりそこにいることが何よりの経験になるね。

 

 

 

ほんで、2回目のヒッチハイクで立ち寄ったSisterって街。

ここのパン屋さんがかっこよかったんよな!!

 

ちっさい街なんやけど、

すごい見応えがあって、

コンパクトに必要なものが集まってるような場所。

 

街を歩いてて、なんとなく見つけたパン屋さん。

 

別にパン食べたかったわけじゃないんやけど、

気づいたら入口のノブに手がかかってて、吸い込まれるように店内へ、、、

 

 

「お前PCT歩いてるんか?」

 

入るなりそんな一言。

 

「うちのパンうまいから食べていってよ!」

 

もともと食べる気やったけど、その人ことで余計お腹がすいてきた。

さっきピザ食べたばっかやのにな、、、笑

 

一つ選んだドーナッツ。

やっぱり甘いものが欲しくなる。

 

お会計は1ドル。

なぜか、コーヒーと2つのドーナッツ。

 

「サービスしとくぜ!」

 

こういう優しさをアメリカでは、「Sweet」

 

っていいてる人が多い。

 

アメリカの人がみんなそうじゃないかも知らんけど、

「Sweet で cool な」人になりたいなと思うようになったな。

 

エンジェルとかめちゃめちゃ甘いで!!!笑

 

 

ほんで、ヒッチハイク。

この日のうちにトレイル戻りたかったけど、時間的に難しいかも、、、

 

 

って思ってやってみたけど、、、

案の定、車も少なくて、止まってくれても行き先が違うことが結構多かったな。

普段、山火事がなかったらこの街にはそんなにハイカーはこうへんのかも。

 

結局、諦めてこの街で一泊野宿。

 

 

 

 

翌朝、煙に包まれる街。

風向き変わって煙が街の方に来たんやろな。

 

 

なんとか、次の街まで乗せてくれるファンキーなおじさんに連れられて、1時間のドライブが始まる。

 

かなり長距離の移動。

会話に困るかもな〜

って思ってたんやけど、、、

 

このおっちゃんとの会話が勉強になっていい時間を過ごせたんよね。

 

「今年は山火事おおいよね〜」

って聞いたら、

「山火事は山の掃除やからな!仕方ないよ!」

 

 

「山の掃除」

そんな感覚なかったから、すごい新鮮やった。

 

彼が言うには、

この地域は山火事がすごい多いんだと、

かといって、毎回消防士が消火活動をしに行くわけじゃないみたい。

 

山火事は色んな理由で、自然発火することがほとんどらしくて、

それも自然のサイクルやからわざわざ全部消しに行く必要はないらしい。

 

山火事が起きたら、基本は「観測」

火が大規模になってきて、人間の生活にも影響を及ぼすようになってくると消火活動を始めるんだと!

 

 

車で移動中に消防士のキャンプ地の横を通った。

200人ぐらいがテントを張って、順番に山に火を消しに行く。

 

1週間山で寝泊まりして消火活動、

1週間キャンプ地で休日を過ごす、

 

山火事を消しに行く消防士はかなりのボーナスをもらえるらしい。

でも、なんか文句はないな。

 

彼らにしかできへん仕事やし、

相当過酷やと思う。

 

他の火事の現場で、消防士が消火活動中に命を落としたニュースが流れてたりもした。

 

 

ここのエリアには「3 Sisters」っていう素晴らしい山が3つあるんやけど、

そこを歩けへんかったのは悔しかった。

 

「山火事がないときに歩きにきなよ!」

 

って優しく背中を押してもらえた。

 

 

 

 

2日ぶりにトレイルに戻って歩いてたら、数年前の山火事の現場を歩くことになったんよ。

 

そこで、おっちゃんが言ってた「山火事は自然の掃除」の意味がわかった。

 

 

木が燃えて、

今まで光が当たらなかったところに光が当たって、

新しい植物が芽を出して、

そこに花をつけて、

虫が集まってくる、

ベリーができると、

動物とか鳥も寄ってきて、

また一から大地に命が宿る。

 

そんな光景を何ども見ることになったんよね。

 

日本で、山火事って聞いたら、

「早く消さな!」

ってなるけど、そうじゃなくてもいい感覚をプレゼントしてもらった気分になったな。

 

 

自然は、人の手が入らなかったら自分たちの力で再生できるってことを知れたな。

 

ほんま歩いてて色んなことを学ばせてくれる。

 

 

 

そんな心で、目の前に広がる景色をみてたら元気が出てきた。

 

 

なんて贅沢な時間をすごしてるんやろ。

 

 

 

 

 

道中こんなハイカーを見つけた。

「猫と歩く」

 

 

犬と歩いてるハイカーはたまに見かけたけど、

猫と歩いてるハイカーは後にも先にもこの人だけやったな。

 

どっかで子猫を拾って、

それからずっと一緒に歩いてるらしい。

Facebookで過去の写真みてたら、

ほんまちっこい子猫の頃の写真が載ってた。

 

「やばい!今度歩くときはこれやりたい!!笑」

 

 

他にはこんな人も、

「馬と歩く」

 

PCTの全行程をホースライドできるわけじゃないけど、

歩いていいセクションがあるんよね。

そこを馬に乗ってパカパカ歩くんやろな。

 

どんな気分なんやろな。

僕は馬より猫を選びそうやけど、、、

 

 

 

このおっちゃんが酒飲むの好きで、

自分の酒をハイカーに振舞ってくれた。

 

 

こうなったらみんなただの酔っ払いやで!

 

誰も、続きを歩こうともせずに、

1時間、

2時間、

3時間、

こういう時の時間のスピードは恐ろしく早い。

 

僕は次のキャンプ地まで歩くことにしたけど、まぁ足元フラフラで歩いてたな。

 

翌日他のハイカーに会って、

「いつまで飲んでたん?」

ってきいたら、

「あそこでそのまま寝てたよ!」

 

 

そうなると多分6時間以上酒飲んでたんやろな、、、

ウイスキーばっかり、、、

 

 

 

 

そんな翌朝の景色は、格別やったな。

いい眠りができたからなのか?

素晴らしい景色が広がってるのか?

どっちかわからんけど、、、いいならなんでもい笑

 

 

 

 

数日前この山の南側に居て、

山際を歩いて、

今北側にいてる。

 

 

なんとも不思議な感覚やな。

一日50kmペースで歩いてるのに、いつまでも同じ山が見えてる。

 

山の名前は 「Mt Hood」

 

この山を越えたということは、、、

 

もうすぐオレゴン州が終わることを意味する。

 

2回の山火事に見舞われて、

全行程の4分1ぐらいは歩けへんかったけど、

これはこれで、特別なセクションになったな。

 

 

 

さて、ワシントン州も目の前。

カナダ国境も現実的な距離になってきた。

 

残り500mile

大体800km

 

 

まだ、800kmもあるやん!

とは全く思わんかったな。

 

 

 

ほんで、この橋を渡って対岸に行けば最終セクションワシントン州。

 

 

ここを渡るのは明日にして、食糧補給のためにヒッチハイクでマーケットまで向かう。

 

道路で親指立てて、

ドライバーの皆さんにできる限りの笑顔ビームを飛ばして道路脇におったら、、、

 

ヨセミテで出会った「カズキ」がひょっこり現れて、

「まさるさん!元気ですか!!」

とすごいタイミングで再会できてん。

 

「今、エンジェルの家に泊めてもらってて、もう一人日本人ハイカーいてるから、よかったら今晩一緒に寝ません?」

 

とのお誘い!

 

 

 

実は、そのもう一人のハイカーにめっちゃ会いたかってん。

 

約1ヶ月前。

 

カリフォルニアの山の中で、ログノートにサインした時のことなんやけど、、、

 

ログノート、、、その場所を通過した日付と名前を書くノート。

 

そこに、「すし、てんぷら、カツ丼」 Shigeyoshi Nyu」ってサインが思いっきり日本語で書かれてるの見つけたんよね。

 

 

そのノート見てから、すしとてんぷらとカツ丼が頭から離れへん日が何日か続いててん。

 

この人に会ったら絶対

「すし、てんぷら、カツ丼」

って言ったろ!

って思ってたんよな。

 

それが今晩叶う!笑

 

 

 

いったんカズキと別れて、買い物済ませてから二人がお世話になってるエンジェルの家へ!

 

 

シュレッカーズハウス。

ワシントンを目前にしたハイカー達が溜まるエンジェルのお宅。

 

見たことあるハイカー、

数ヶ月ぶりに再会したハイカー、

出発が一緒の日やったハイカー、

 

そんなハイカー達と再会を果たすことができたんよな。

 

全員3500km以上の道のりを歩いてきたとは思えへんぐらい普通に見えたな。

もちろん、臭いし、服は汚いし、ヒゲも伸びっぱなし、

ここまできたら、臭さ競ってるハイカー達もおったな。

 

 

 

 

 

念願のシゲさんとも会えて、

 

「すし、てんぷら、カツ丼!!」

 

ってなんの前振りもなくいったら、

 

「あれ見た?笑」

 

心が通じ合った笑

 

 

翌日、オレゴン州を後にして、

いよいよ最終セクション、ワシントン州へ!!

 

 

「一緒に歩きましょか?」

とかは行ってないかったけど、なんとなく色々話しながら一緒にワシントン州に入って行ったんよね。

 

 

 

 

 

 

今回はここまで、

 

ここから先のワシントン州、

山火事と絶景に包まれながらのフィナーレ!!

 

感情の変化も一番大きくて、

辛くて、

嬉しくて、

悲しい、

 

そんな残り800km!!

 

 

 

Washington

 

いよいよ、最後のセクション。

800kmもあるけど、

800kmしかない、

 

オレゴンとワシントンの州境にかかる、橋を越えて最終セクションに突入。

 

 

ここから、カナダまで何が待ってるのか、、、

 

 

日本人ハイカーと何日も一緒に歩くのは今回が初めて。

やっぱり母国語でストレスなく会話ができるのは本当に自然体でいれるなって思うな。

 

英語もそこまでのレベルにあげれたらPCT以外もかなり楽しくなるんやろな。

 

 

まぁ日本に生まれて日本語にまみれて生きてきたんやから、

ネイティブに英語話すの難しいの当たり前やしね。

 

それに、、、

PCTに英語を話しにきたんじゃないし!!笑

今回はアメリカを歩いて縦断しに来たんやし!!

 

その中で徐々に学んでいけばいいや。

 

オーストラリアに初めて一人で行った4年前のこと思ったらかなり上達してきたしね。

 

 

 

ここまで歩ききったハイカーは約3500kmを歩いてきてる。

そんなハイカーが普通の顔してその辺にいる。

 

 

それぞれのペースで歩いて、

みんな同じようなとこで休憩して、

またそれぞれ歩き始める、

 

 

 

ワシントンに入って2日目。

ハイカーの大好物、「Magic」を煽る落書きが!!

 

 

300m間隔ぐらいで何個もでてくる。

 

 

どんなエンジェルがどんなマジックを仕掛けてくれてるのか!!

 

胸が高まる。

 

 

無意識に歩くペースも上がる。

 

 

ハイカーにとってこのマジックがどれだけ嬉しいことかは、歩いたことのある人しかわからんと思う。

 

 

 

 

広場に出た!!

 

マジックは近い!!

 

 

 

 

 

 

、、、ただ、エンジェルらしい人の姿もないしハイカーもそんなにおらへん。

 

 

 

残されてたのは、、、

 

 

一本のバナナ。

 

 

 

どうやら、、、「祭りは終わっていた。」らしい、、、

 

 

近場でテント張ってたハイカーに聞いたら、

 

「昨日のマジックは最高だったぜ!!」

 

やっぱり、、、、

 

 

 

それなら、あの煽りやめてほしかった、、、笑

 

他のハイカーもあの落書きに胸を躍らせてこの広場にやってくるんやろな。

 

 

 

 

色々ゆーてもしゃーない。

シゲさんとバナナを半分ずつして出発や!!

 

 

エンジェルのマジックがなくても、

大自然がくれる贈り物があるんだな!!

 

 

 

実は、この辺りベリーがいっぱいなってるんよな。

ブルーベリー、

ハックルベリー、

ブラックベリー、

ストロベリー、

 

 

そんなものを収穫してビタミンとりながら歩いたりもしたね。

 

こいつらがハイカーの歩くスピードを遅くする笑

 

 

一回捕まったら、

「後一つ、後一つ」

「最後にこれだけ!!」

これが永遠に続いて30分以上滞在してる何てことはよくあるんよな笑

 

 

 

 

夜は、シゲさんがメキシコの国境からほぼ一緒に歩いてきたハイカーと合流。

 

フランスハイカーのトーマス。

韓国ハイカーのサンテ。

 

 

一人でずっと歩いてる僕からしたら、

メキシコから一緒なんて考えられへんのよな。

 

ちょっとうらやましくも感じた、、、笑

 

 

 

トーマスとサンテは、食事が終わったらチェスを始めるんよ。

 

ヒッチハイクのドライバーが「暇つぶしに使え!」っていって渡してくれたらしい。

 

勝負がなかなかつかんから、ヘッドライトつけて夜な夜なチェスにふける。

 

 

みんな楽しんでるな〜〜!

 

 

 

 

 

ゴールが見えかけてるからか、

少し心に余裕が出来てきたな。

 

今日は何mile歩かなあかんとかって思わなくなったし、

歩きたいだけ歩いて、

休みたい時に休んで、

日が暮れていいテント場を見つけて夕食、

 

 

このリズムでも一日40kmぐらいは歩けてしまう。

 

 

 

 

景色がほんまにいいんよな。

アップダウンが大きい代わりに、

景色の変化もすごい激しい。

 

 

 

 

ワシントンの大自然を堪能してる時に、、

 

前から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

彼らを見てついつい飛びついてハグしてしまった!!!!

 

「グーグル」と「ファイヤーフット」

 

 

カナダからのハイカーなんやけど、出発が一日違いでスカウトの家で2日間一緒に過ごしてたんよね。

そんな二人とは、カリフォルニアでもちょこちょこ一緒に歩いてて、

一緒にヌーディストの集まる温泉でまったりもしてたんよね。

多分それが最後やったんちゃうかな?

 

彼らとの再会は3000kmぶり。

 

そんな二人がなんで逆走してここを歩いてるんや?

 

「ペースが遅かったから、雪が降る前にカナダ国境にいってそっから南下してるんだ!」

 

って言ってたな。

 

 

ロングトレイルってほんま不思議やと思う。

途中でやめてもいいし、

全部歩かんでもいいし、

誰と競うわけでもないし、

 

初めての感覚やな。

 

誰かと競うスポーツでもないし、

道無き道を進むような冒険でもないし、

かといって楽しい娯楽でもない気がするんよな。

 

スポーツでも、冒険でも、娯楽でもない、それが「ロングトレイル」なんちゃうかな?

 

それって、「生き方」みたいなものなんやと思うねん。

一番自分が納得する、

一番心が沸き立つ、

そんなチョイスを自分で全て選んでいく。

 

 

 

二人と思い出話をして、別れる寸前に、、、

 

 

「この先、山火事だよ!」

 

 

 

 

 

 

まじかよ!

 

 

街に降りたら案の定PCTはクローズ。

 

またここで迂回か〜

 

 

とりあえず食糧補給で街に滞在するつもりやったんやけど、、、

 

他のハイカーも山火事で情報収集するために足止めくらってたんよな。

 

 

 

おまけに、、、

 

街に降りたら、年に一回ぐらいのマーケットの日やったらしい。

 

 

安宿はもちろん、

ホテル、キャンプ場ですらハイカーが泊まる場所がほとんどないに等しかったんよな。

 

マーケット自体は楽しそうやったけど、

泊まる場所ないってなるとトレイルに戻っちゃったほうがいいかな〜

でも、トレイルは山火事で閉鎖。

 

八方塞がり。

 

 

そんなハイカーを見かねて、、、

「地元のエンジェルが自宅の庭を開放してくれている」って情報がはいった。

 

その情報を辿って、エンジェルにお世話になることにしたんよね。

 

 

すでに、20人以上のハイカーがテントを張って体を休めてた。

 

 

「マーケットと山火事でハイカーが困ってたから昨日から開放してるのよ!ゆっくりしていきなさい!」

そんなことをとさらっと一言いってから、

また車に乗って他のハイカーを探しに行ってくれた。

 

この優しさはどっからでてくるんやろ。

 

彼女に店員オーバーって概念がないんやろな。

 

結局その晩は25人を超えて、

その夕食を彼女が全て作ってくれた。

 

パスタとサラダ、デザートにアイスもあったり。

 

そんな優しさをもらったら、座って酒飲んでられへんような気持ちにさせられるんよね。

ハイカーもなんかできることないか?って考えて、

ゴミの片付け、

食器洗い、

トイレ掃除、

率先して「彼女のため」に動いてた。

 

 

 

 

そのエンジェルハウスでも色んな出会いがあったんよんな〜

 

今までほとんど出会ってなかった韓国と香港のハイカー。

 

 

年齢もほとんど同じで、20代後半から30代前半。

 

こんなにアジア人どこにおったんやろな笑

トレイルではほとんど見かけへんかったのに。

 

 

 

カズキとシゲさんとも一緒に過ごせたな。

 

 

彼らは、こっから一回PCTを外れて別のトレイルにいくらしい!

「ワンダーランドトレイル」

 

ってことでここでお別れ。

多分もうゴールまで会わへんやろな。

 

 

 

 

そして、僕はサンテとトレイルに戻る。

 

山火事の規模は若干縮小してるらしくて、歩けるエリアが広がってた。

行けるとこまで行って、途中でヒッチハイクすることにしたんよね。

 

 

何気なくサンテのバックパックに目をやったら、、、

2人の女性の写真が付けられてた。

 

 

この二人は、今年PCTで命を落としてしまったハイカーの写真やった。

 

一人は僕も話したことある人。

 

 

彼はあったことも話したこともないけど、

「今年のハイカーはみんな仲間でしょ!」

とは言ってないけど、彼の後ろ姿を見てるだけでそう言ってるような気がした。

 

 

 

また一人かっこいい友達ができた!

 

PCTだけじゃなくても、

かっこいい人に出会ったら、

「自分のそんな人になりたい!」

っていう憧れに似た感情になる。

ほんで、無意識に彼らの言動、姿勢、立ち振る舞い、

そんなものを真似してる自分がいてる。

 

今の僕はそんな人たちのおかげで出来上がってきてるんやろな。

 

 

 

 

ワシントン州はほとんどが雨って聞いてたけど。

僕が歩いてる間は全く降られへんかったな。

 

 

湖がよくでてきてたから、雨多いのはわかるんやけど、

雨がなかなか降らへんから山火事が消えへんねやろな。

 

 

地元の人が言ってたけど、

「今年の山火事は以上に多い!」

って言ってはったな。

 

 

地球がおかしくなってるのか、

おかしくなった地球が元に戻ろうとしてるのか、

それとも、人間が環境破壊するのも自然の一部なのか、

 

何が真実かわからんけど、

「環境は今、何かの問題を抱えてる」のはわかる。

 

専門的な知識は全くないけど、肌で実感できる。

 

 

いらるところで、山から煙がのぼる。

ルートとは関係ないけど、この二つも相当な規模やと思う。

 

 

霧の中じゃなくて、

煙の中でのシャワータイム。

 

 

トーマスが一人で楽しそうにシャワータイム楽しんでたな笑

 

35歳のフランス人。

見た目こそおじさんやけど、やることほんま子供みたいなんよな笑

なぜか「テレマカシー」を連発する。

 

マレー語で「ありがとう」的な意味なんやけど、

やたら使う。

 

理由はよくわからん笑

テレマカシーだけで会話が完結してたこともあったな笑

 

 

 

 

気がつけば、2400mile。

3800km。

 

 

ワシントン州も残り半分やで〜。

 

 

誰かと一緒ってのもあって、

毎日が楽しかったな。

 

 

一人で歩いてた時間があるから、誰かといる時間がよりよく感じれたりするんやろな。

トーマス、シゲさん、サンテ、ありがと!

あとカズキも!

 

 

 

毎日40kmの移動を繰り返してたら、

手に取るようにカナダ国境が近づいてくるのがわかる。

 

歩き始めた頃は、

「ほんまにカナダ国境まで歩けるんか?」

って不安しかなくて、

カナダ国境につくことを夢見て歩いてたはずなんやけど、、、

 

いざ、ゴールが見えてきたら、

「まだ終わりたくない。」

っていう悲しさにも似たような気持ちにさせられるんよな。

 

 

いろんな場所でたくさんの再会もあって、、、

なんかどんどんPCTが旅を終わらせようとしてくる。

 

 

すごい複雑な心境やったな。

 

 

頭ではあと何日で終わるってわかってるのに、

終わりたかったり、

終わりたくなかったり、

それでも毎日歩く40kmは楽なわけでもないし、

 

息を呑むほどの絶景が広がったら、その向こう側に飛び込んでみたくなる。

 

 

 

 

そんな景色の中を歩いてたら、

「ほんまにもう終わるや!」

 

って思えて、お母さんにメールしたんよな。

 

「後2週間ぐらいで歩き終わるわ!」

 

家族にはいつも心配かけてばっかりやから、ちょこちょこ手紙書いたりメール入れたりしてるんやけど、、、

今回はいつも以上に頻繁に連絡するようにしてた。

5ヶ月近く山の中歩くんやからいつ何があってもおかしくないしな。

 

 

そんなメールに返事がきたんやけど、

「後2週間もあるん?3日だけでもお母さんからしたら長いわ!今日から2週間が始まると思って歩いておいで!」

 

そんな一言をもらった。

 

 

 

 

この言葉は、その時の僕には一番パンチ力があって母親の偉大さが感じれたんよな。

 

その時僕は、終わってしまうことに考えが集中してて、

「楽しむ」ってことからずいぶん離れたところに居てたような気がする。

 

それを思い出してくれるのが、一通のメールやった。

 

 

 

 

 

それから数日、

川に目をやると、

何やらオレンジ色の魚が大量に泳いでる。

 

 

どうやら、サーモンやったみたい!

「あいつら海からここまで卵海にやってきたんやろな。すげーなー」

 

 

そんな時、一人のハイカーが、

「海って言ってもこっから太平洋より、こっからメキシコ国境の方が長いぞ!」

 

確かに、、、

 

 

この鮭達よりも、長い距離を歩いてきてるんや、、、

 

 

 

 

 

ゴールまで後4日。

 

最後の食糧補給に向かった街で、途中で追いついてきたシゲさんと宿に泊まることにしたんよ。

 

 

結局、二人とも一泊だけじゃ体が動かんくて、二泊することにしたんよね。

でも、それは正解やったと思う。

 

その時の僕らは、

今日出発しようが、

明日出発しようが、

大した違いじゃなかったんよ。

 

一泊分の宿代ぐらいかな。

 

そんなことより、心を整えて前向きにゴールに迎える心を作る方がよっぽど大事やったはず。

 

 

 

 

 

 

 

心の準備が整って、

宿を出た二人、残り2日。

 

 

最後のセクションではたくさんの人に「Congratulations」

を言ってもらえた。

 

「メキシコの国境からここまで来てどんな気持ち????」

ってハイテンションで聞いてくれたけど、

 

「多分、あなたより興奮してないと思う。」

ってかなり冷めた答えをしてしまった。

でも、それが本音で自分でもよくわかってなかったんやと思う。

 

 

でも、ほんとありがとう!!!

 

 

 

PCTでの4回目のブラックベアーも出てきてくれた。

怖さよりも、お見送りをされてるような気分やった。

 

 

だんだん終わっていってるらしい、、、

 

 

 

最後の夕食。

 

別に特別なもの食べたわけじゃないし、

いつもの手順で、

いつも通り食べてただけ、

 

 

でも最後ってだけで、味わい方が違ったり、

いろんな感情が込み上げてくる。

 

ほんとは、毎日が最初で最後の特別な一日なんやけどね。

 

「最後」があるから、そんなことにも気づくことができたんやと思う。

 

 

 

 

 

翌朝。

なぜかこのタイミングで積雪。

 

今まで、雪が降ってることはあったけど、積ることはなかったんやけどな。

 

 

なんか、意味がなさそうでありそうで、、、

 

寒くなって、人肌が恋しくなるっていうけど、

 

なんか終わりって冷たくて寒いイメージがある。

 

 

最終日の夜一緒にテント張った3組のハイカー。

そのうちの一人は、

 

 

同じ日にメキシコ国境をスタートした「トゥーステップ」

 

 

彼は、昨日カナダ国境について、折り返してきてたんよな。

同じ日に出発して、131日目に同じ場所にいる。

 

歩くペースが一緒なわけでもないし、

街に降りたタイミングも全然違うはずやのに、

なぜかここで一緒の時間を過ごしてる。

 

これもなんか意味あるんやろな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

雪景色の中歩き始めた最終日。

 

半日ぐらい歩いた頃かな。

 

 

山肌に一筋の白いラインが。

 

「あれなんですかね〜」

「電線があるわけでもないし、、、」

 

 

「シゲさん!あれカナダ国境やで!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

いいよ来てしまったんやね。

 

終わりが。

 

 

二人して、黙ってその景色を眺める。

お互い何を考えてたかはわからんけど、、、

 

5分かな?10分かな?

 

沈黙が終わって、

「そろそろ終わらせに行きますか!!」

 

の一言で、歩き始めた。

 

 

歩き始めて5分後。

 

とうとうゴールについてしまった。

 

 

 

 

4265kmのアメリカ縦断が終わった瞬間。

 

いろんな感情が込み上げてくると思ったけど、、、

 

ただ、モニュメントを眺めて、触って、、、、

 

それぐらいしかしてなかったな。

 

涙が出ることもなく、心の底から発狂するわけでもなく、

 

意外と心は穏やかやった。

 

 

 

 

PCTの全ては描ききれてないけど、これが僕の4265kmやったんよね。

 

 

最後に、アメリカのトレイルにありがとうを言いたい。

出会った人、

出会った景色、

出会った感情、

そん全ては、アメリカのロングトレイルが与えてくれたもの。ありがとう。