糸を切る

 

 

 

目が覚める

 

枕元に置いてある長方形の薄っぺらい鉄の塊の画面には

 

7:28とおう数字と

 

幾つかの通知が表示されている

 

◯◯さんからメッセージが届いています

アプリを開いて端末のパフォーマンスをあげましょう!

◯◯さんとの過去の思い出を振る振り返ってみましょう

◯◯さんが画像をツイートしました

オススメの動画がアップされました

 

 

 

そして、鉄の塊をなんとなく手にした右手の親指は

脳にプログラムされているかのように動き出す

 

 

 

Instagramと書かれたアプリが開かれ

誰かがあげたストーリーと言われる私生活のいいとこ取りが

親指の先から次から次へとやってくる

 

 

 

取り憑かれたように動く親指に違和感を覚えホームボタンを押す

 

 

 

 

そして

 

誰かからきたメッセージを確認する

 

恐らく返事をすればすぐにでも連絡が返ってくるだろう

 

 

一通り連絡を見て返事もせず

 

音楽をかける

 

 

Jack Johnsonでもかけておけば問題ないだろう

 

 

 

 

 

 

 

いつからこんなに朝が忙しくなったんだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

インターネットの普及によって

 

常に他人と繋がっているという安心感と共に

 

例えようのない忙しさが付きまとう

 

 

 

そんなオンライン状態を切断できた4日間の旅は

 

実に快適でその瞬間の出来事にしっかりと感情をつけることができた

 

 

 

 

 

今回の旅のバディとなってくれたのは

以前インスタライブをやっていたJK

 

 

 

 

リアルで過ごした時間よりも
画面を通して繋がっていた時間の方がはるかに長い人物
そんな彼とオフラインの時間を山の中で過ごしてきたわけだ
言葉でいうと
デジタルデトックスとでも言うらしいが
そんなカタカナを並べられても僕はよくわからない
単純に目の前に起こる出来事をしっかりと見つめ
楽しみ
踏ん張り
喜び
味わい
その瞬間を生きていきたい
そう思うだけだ
僕は数年前まで、wifiがないと連絡が取れない日々を過ごしていた
僕自身はとても快適だったが、連絡を取る相手は厄介だったと思う
社会の中で生きる以上
自分一人が良ければいいというわがままは通用しそうになかった
オフライン状態の山の中では
10kgほどのバックパックを背負い
大粒の雨に打たれ
ぬかるみに足を取られ
蜘蛛の巣を顔面で受け止め
筋肉を痛めつけ
夕焼けに感動し
朝からコーヒーを入れ
山の中を通り抜ける風を感じ
夜な夜な語り合い
一本のコーラに感激していた
恐らく、山の中での生活は日々の生活よりも深いで不便だと思う
それでも、人は山に入り 山を歩き 山を走る
「なぜ人は自然の中に入ろうとするのか」
「なぜ人は山を登りに来るのか」
3年ほど前から、そんな疑問を持ちながら歩いていた
その答えはまだ出ていない
でも、なんとなくその輪郭が見えてきたような気がする
山を歩くと
登りもあって下りもある
当たり前だ
そして、登るなら降らないでほしいと思ってしまう
これも正常な感覚だろう
山を登る人、ハイキングを楽しむ人それぞれに楽しみ方は違うだろうが
共通して楽しみにしているのは「景色」ではないだろうか
そして、景色がいい場所は皮肉にも山の上に行かなければ出会えない
そこに人がなぜやってくるのかという
僕なりの答えのようなものがある
想像してほしい、、、
もしスタートからゴールまでの行程に
登りもなく
下りもなく
一定して綺麗な景色だったとしよう
果たしてそれは楽しいといえるのだろうか?
もちろん歩き始めは楽しいだろうが
多分飽きる
いや!絶対飽きる
2時間も歩けば景色すら見ていないかもしれない
その時出てくる感情は
「この道はどこまで歩けば終わるんだ?」
なぜそう思ってしまうかというと
それが「普通」だからではないだろうか
普通を普通でないと思うには
「違う」ということを知る必要がある
山頂の景色を綺麗に見たければ
綺麗でない部分を見なければならない
辛い思いをし思い荷物を持ち
もう辞めてしまいたい
という辛さがあるからこそ
その景色がより良いものになるんだと僕は思う
だらだらと書いてしまった
要は、違いをするということだ
山頂の景色を綺麗に見るには
綺麗でない部分を見なければならない
オンラインの便利さを感じるには
オフラインの不便さを感じなけらばならない
この4日間の旅ではそんなことに気づかせて貰えた
気がつけば、新幹線は京都を過ぎ大阪に到着しそうだ
さぁそろそろ時間だ

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