あの日すれ違ったあの子は僕を見ていない

羽田空港から青森県三沢空港までのフライトは13:55

東京タワーが近くにそびえ立つ東麻布の一室で
目をこすりながら窓から見える建物の隙間に映る
空高く飛んでいる飛行機を眺めていた

時間は14:07

飛行機のチケットを捨てたのはこれで何回目だろうか

最初はカナダからメキシコ
2度目はカンボジアからミャンマー

そして、今回が恐らく3度目

飛行機に乗る2日前の夜
半年ぶりに会う友人と吉祥寺で飲みの約束をしていた
再会を喜び居酒屋へ入ろうとする頃
左目に異物がゴロゴロと転がるような違和感を感じ始めた

目にホコリでも入ったのかと思い
友人を席に残しトイレへ駆け込み
瞼をひっくり返し水道の蛇口を上に向け
目ん玉をじゃぶじゃぶ洗っていた

思いのほかしぶとい目の中の何かを取り除きたいと思うと同時に

店に一つしかない男女兼用トイレを占拠している申し訳なさが押し寄せてくる

「コンコン!コンコン!」

トイレを待つ人がいるのだろう、、、

もう少しだけ待ってくれ!

と心の声がもれそうだ

「コンコン!コンコン!コンコン!」

一向に目の異物感が無くなる気配がない、、、

「コン!コン!コン!」

「コン!コン!」

もうだめだ

プレッシャーに押しつぶされ

目には異物感を残したままトイレのドアを開けた

そこには

小ぎれいな服を見にまとい
しっかりと化粧が施されている女子が
3人ほど列をなしている

さすが吉祥寺

都会の男子にウケるような姿だ

トイレの中から出てきた男は
長い髪の毛を束ね
色が落ちきったキャップをかぶり
ほったらかしのヒゲを蓄え

そして、左目を赤く腫れ上がらせている

「対照的」とはまさにこういう時に使うのだろう

「すいません。。。」

聞こえるか聞こえないかのギリギリの声量で

少し頭を下げ逃げるようにササッと女子たちの前を通り過ぎた

彼女たちは僕をどう見たのだろう

涙を流しているように見えたのだろうか

はたまた目にゴミが入ったのを察してくれらのだろうか

いや、、、そんなことは決してない
彼女たちは僕のことなど気にもとめてないだろう

翌日、近くの眼科に行くと

「結膜炎」or「はやり目」と診断された

これが本来乗るはずだった飛行機のチケットを捨てた理由だ

知人宅で療養させてもらい

先ほどヴィオレット・エバーガーデンの映画を鑑賞し

案の定マスクは濡れ大号泣の鑑賞となった

腫れた左目をもう少し腫れ上がらせ

僕の「みちのく潮風トレイル」は始まっていくのであった

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